地底電波塔

気が向いたときに勢いにまかせて何かを書き連ねるブログ

うっかり舌を噛んだら痛すぎてしばらく飲料で空腹を凌ぐ羽目になった

舌を噛んだ。ごはんを食べていたらうっかり。なぜ噛んだのかよくわからないが、口の中にある味噌汁の具を噛もうとしたら勢いよく舌を噛んでいた。

結果、舌の上側の右側(右上の犬歯の方向)に軽いクレーターができた。舌も皮膚と同じ感じで皮(?)と中身(?)との2層になっているんだなあと思った。「舌を噛み切る」という表現をたまに見かけるが、あれだけ遠慮なく噛んでもたいしてえぐれなかったので、舌を噛み切るには相当な顎の力が必要なのだなと呑気に思った。いや、顎の力というよりは無意識の自制心を飛ばす必要があるのかもしれない。

これが先週の(たしか)土曜日の夜の話。その後は特に痛くなく、「舌にクレーターできたな」で終わっていた。

2日後の月曜の昼か夜らへん。そろそろ舌を噛んだことを忘れ出していた状態でいつも通りにごはんを食べようとしたところ、舌に激痛が走った。傷口がとんでもなく痛い。とりあえず口内炎パッチを貼りつけたが、何の意味もなかった。何かしらがそこに当たったらアウト。塩気の有無は関係ない。舌の右側にあるんだから左だけで噛めばなんとかなるやろと食事を続行したが無事に撃沈した。左だけで噛んでいても知らない間に食べものは右側に侵食しているし舌に当たっている。まあむりやり食べきったけど。なんか途中で麻痺してくるし。

困った。水を飲むときに傷口に水があたるだけでクソ痛い。しゃべろうとして舌が硬口蓋にくっついて離れるときも痛い。傷口の場所が場所なので 英語のエルの音みたいな歯茎にちょんと舌先を当てるような感じで動かせば実は回避できるが、そんな器用なことができたら苦労しない。ていうかもはやなにもしていなくても痛い。唾液がついても痛いし乾燥させても痛い(乾燥させたほうが気持ちマシではあった)。延々とツキツキツキツキしている。

これはもう咀嚼が必要な食べものはダメだと悟ったので、ゼリー飲料、ヨーグルト、ジュースなどを買った。こいつら思ったよりカロリー低いんですね。突然無理なダイエットを始めた気分になった。カロリーがたくさん取れそうな噛まなくていいやつというと私はアイスを思い浮かべるのだが、舌の傷に当てずにアイスを食べられる自信がなかったのでやめた。実際ヨーグルトで若干しんどかったのでたぶん無理。カロリーのある飲料って基本的に甘いんですね。塩がない。糖分過多を感じた。ストローのついたコーンスープを見つけたときは手を叩きそうになった。今思ったけど「一食置き換え」的な謳い文句の粉末のやつを買えばよかったのでは? 当時は思いつかなかった……

今こそ痛み止めを使うべきでは? とは何度も考えたが、そのたびに謎の楽観精神を発揮した私は「まあ寝て起きたらなんとかなるやろ」と痛み止めを飲まないまま過ごした。アホである。飲めよ。固形のごはんを食べられないと判断した時点で諦めろ。

職場でほぼしゃべる必要がなかったのもこの楽観思考を後押しする要因になった。出勤退勤と会議のときくらいしか声を発する必要がないので、たいして困らなかった。たくさんしゃべる仕事だったらさすがに迷うことなく痛み止めを飲んでいたと思う。

口内炎パッチを朝ごはん後と夜ごはん後の2回つけていたのだが(1日1〜2回と書いてあったので)、それが効いていたのか仕事中と寝るときはそこまで気にせずにいられた。朝起きた直後と仕事帰りくらいの時間帯は薬が切れるのか知らないが何もしなくても痛いモードに入って大変だった。帰り道は基本的に「いてえ〜」しか考えていなかった。

そんなこんなで木曜日がきたところで、なんと帰り道にあまり痛みを感じていないないことに気がついた。これは!!?? もしかして??!? とコンビニに寄ってあまり噛まなくてもなんとかなりそうなプチシュークリームの集まりを買っておそるおそる食べたところ、まあ痛いは痛いが許せる痛さだった。ちなみにシュークリームは皮が意外としっかりしていたのでそこそこ噛む必要があった。ロールケーキとかにするべきだったなと反省した。まあ食べられたからいいんですけど。

なぜ菓子にしたかというと塩を傷口につけるのが怖かったからです。体調不良とかでできる口内炎も塩をつけたらクソ痛いしな。口内炎ができているなかケチャップをつけたプライドポテトを食べて飛び跳ねたことを思い出す。ケチャップと口内炎の相性最悪じゃない? 塩単体よりダメな気がする。なんで?

ともかく私はおよそ3日ぶりに食べものを咀嚼した。咀嚼とはこんなにも達成感あふれる行為だったのか。冗談抜きで私は感動していた。

翌日はもうちょっと勇気を出してパンが柔らかそうなサンドイッチを買った。痛かったけどこれも食べられた。私は勝利を確信した。今はもう炊いた米を食べることに成功している。米は粒状だから傷口へのダメージが小麦粉をこねたものよりでかい気がしている。気のせいかもしれない。まあとにかく、クレーターはまだあるんだが(これ消えるのか?)痛みはもうほとんどない。ふつうに飲み食いができる。ふつうにしゃべれる。口内炎パッチももう貼ってない。私は乗り越えた。

ところで、食べものを咀嚼するときって、舌が口の中の食べものを歯に挟まれるはずのところに動かしてから噛んでるんですね。舌に傷をつくって初めて気がついた。たしかに、歯の位置は固定されているんだから、自由度の高い舌が運び込んでやらないとうまく噛めなさそうだ。思えば当然だが、なんだか新発見をした気分だ。

でももうこんなのは懲り懲りだ。次やったらちゃんと痛み止めを飲む。効果があるのか知らないけど。みんなも舌はなるべく噛まないようにしような。